新しい記憶が刻まれる三つの過程 | SP速読学院

新しい記憶が刻まれる三つの過程

さて、次に「記憶」と「時間」の関係について説明しよう。
脳内に新しい記憶が刻まれるまでには、次の三つの過程がある。

【1】記銘(インプット)
【2】保持(キープ)
【3】想起(アウトプット)

記憶の第一段階である「記銘」は学習した事柄を覚えたばかりの状態である。シナプスに生理学的な変化が起き、神経細胞に新たな回路も開通している。
だが、ここで油断すると、せっかくの記憶が消えてしまう場合がある。歴史の教科書を読み、テストに出そうな年号を覚えたものの、いざ練習問題に取り組んだところ、半分も覚えていなかった。多くの人が、これに似た経験をしているのではないだろうか。
シナプスによって作られた新たな回路は、形成された直後は不安定だ。たとえるなら、薄く降り積もった雪道に細い轍ができたようなもの。その上を別の轍が走ったり、足で踏みにじられたりすれば、できたての轍などは、すぐに消え失せてしまう。したがって、覚えておきたい知識は、「記銘」の後で、しっかり「保持」しておかなければならない。これが第二段階だ。

記憶の時間による分類
【1】短期記憶…… ごく短い期間だけ保持される記憶
【2】長期記憶…… 数日~数ヶ月以上もの間、保持される記憶

一分程度で消えてしまう記憶から、ほぼ生涯にわたって保ち続ける記憶もある。

短期記憶は、記憶システムの三つの過程では「記銘」にあたる。
読書をする際にも、短期記憶を使用する。短期記憶は、長くても数分程度しか保持できない。たいていは一分以内に消滅してしまう短い記憶だ。レンズとしての水晶体には、文字を意味のある言葉に置き換える能力はない。
網膜に写し出された文字は、この時点では単なる「記号」である。読書によって取り入れた情報(記号)は、ここで心内辞書を使って検索にかけられる。検索を終えると、記号は意味のある言葉となる。記号としての文字を検索し、意味のある言葉に置き換える作業が第三段階の「想起」である。本を読んでいるときには「記銘」と「想起」を交互に繰り返しているのだ。

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