速読理論 『速読術が日本史でマスターできる本』プロローグ | SP速読学院

『速読術が日本史でマスターできる本』プロローグ

 この本の目的は、初級から上級レベルまでの速読法をマスターすることにあります。そして同時に、速読トレーニングを通して、日本史の通史を習得することにあります。一つの訓練を実践しながら、速読法と日本史がマスターできる、これまでになかった画期的な一挙両得のテキストが本書なのです。
 私(橘)は高校の社会科教師を10年間務めていました。そのキャリアを捨てて、速読教室の指導者になりました。きっかけは、中学受験や、大学受験などの受験や司法試験のような資格試験に速読法を応用させ、彼らの勉強への負担を軽くすることでした。そして、私は約13年間速読教育の現場で働き、一人一人の生徒を個別指導してきました。医者のカルテのようなトレーニング記録用紙を作り、目の状態、理解や記憶、読書スピード等を細かな項目にわけて、客観的に判断できるようにすべて数字で記録しました。その臨床データをもとに、先端的な認知科学や脳科学を取り入れて構築されたのが、SP式速読法です。「SP式」とは「Speed & Power」のことで、単なる読書スピードの向上だけではなく、読んだ内容を正確に理解し、かつしっかり記憶にキープすることを目的にしています。
 私は認知科学を速読法や記憶術のトレーニングに取り入れることに熱心でした。学者たちが一生をかけて研究した成果を認知心理学の本から学び、トレーニングのヒントをたくさんいただきました。認知科学の研究により、正確に理解する精読の読みや、深い思考が働く熟読の読みでも速読できることを可能としました。
 司法試験予備校の辰巳法律研究所での速読講義では、精読のスピードを大幅に向上させることに成功しました。また、朝日カルチャーセンター大阪教室では約七年間の速読記憶講座を開講し、好評をいただいています。
 SP式では思考スピードを速めるために全体理解の開発に力を注いできました。そして8の字読み、螺旋読みなど独自のダブルリーディングと呼ばれる読みを開発することにより、理解度を保ちながらスムーズに複数行への移行を行えるようになりました。
 私は、1998年にJ・T・ブルーアー博士が執筆された『授業が変わる』(北大路書房)という本に出会い、多くのインスピレーションを受けました。そこから、前頭葉の思考の部分で働くワーキング・メモリの容量が読解処理をするのに不足しており、そのために文章理解や記憶ができなかったり、返り読みのくせが生ずることを理解しました。ワーキング・メモリの容量不足を解決するには、認知技能の自動化が有効です。認知技能を自動化するとワーキングーメモリの容量の範囲内で処理ができるため、理解や記憶に集中できるようになり、速読や記憶に残る読みが可能となります。その理論をまとめて「熟練した読み手の認知モデルの略図」(034ページ参照)を作成しました。
 また、このときに東京大学薬学部助手で脳神経科学者の池谷裕二氏の著書『記憶力を強くする』(講談社)に出会い、記憶力の増強がシナプスの変化によって起こる科学的しくみを詳しく知り、認知技能の自動化の正体はシナプスの可塑性にあることを確信しました。
 1997年にSP速読学院を京都で設立。現在は大阪、名古屋、新宿にも教室を開いていますが、SP式速読法の受講生のうち、300人以上の生徒が初見で文庫や新書等を分速10,000文字(一分間で約20ページ)以上のスピードで読めるようになりました。本書には、その最新の理論的成果と実践的ノウハウが詰まっています。
 また、例文に用いた日本史の通史は、日本史研究の第一人者である明治学院大学の武光誠教授によるもので、きわめて平易でありながら専門的でもあるという、大変興味深い内容となっています。日本史で大学を受験するかたや、大学で歴史を専攻するかた、もう一度日本史を勉強したいビジネスマンやOL、資格試験を目ざしている人々にもぜひ読んでいただきたいと思います。一回の通読だけでなく、何度もくり返し学習して速読をマスターされるころには、いつの間にか日本の歴史が頭の中に収まっていることでしょう。
 この本でのトレーニングにより、皆様の頭脳と理解力が活発に働き、速読力や記憶力、集中力が開発されることを祈念します。

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