“積読(つんどく)”状態から抜けられない人は?
皆さんの中には、1冊の本を遂に最後まで読み切れずに、本棚に埃を被せて積み上げただけの状態にしている人も、おられるのではないかと思います。
1つは、読書のための時間がほとんど捻出できない、という問題がある場合です。
全く時間がないという状況は、あまり考えられませんから、このような人は特に“細切れ”状態でも、読書時間を作りだすことをお勧めします。
速読術が未訓練の状態では、短い時間では何ほどのこともできません。
ですが、速読術をマスターすれば、結構な分量の文章を読むことができるようになり、細切れの時間が読書時間として生きてきて時間の有効活用が可能になります。
ここで「細切れの時間しか捻出できない奴が、どうして速読術のトレーニングなんかに取り組めるんだ?」という疑問を持つ方も当然おられると思いますが、この問題に関しては後で改めて、詳述することにいたしましょう。
2つ目は、読書スピードが不足している、という問題です。
のろのろと亀のようにしか読めないために本が読破できない、というタイプの人は、1冊を1~2時間で読めるスピードを身に着けたいところです。
読書量の少ない人は、どうしても視野が狭くなって、自分のことだけで精一杯になってしまいます。
あるいは逆に、自分のことで精一杯だから視野が狭くなり、ついつい必要性も感じられなくなって読書量が少なくなる、ということもあるでしょう。
このあたりは“鶏が先か、卵が先か”ということかも知れません。
とにかく視野が狭い状態では、必要な情報を得損なって重大なチャンスを逃したりと、大局的に見れば人生においてロクなことはありませんから、何とか、そういう状態から抜け出したいものです。
マルチ商法やインチキ宗教など、俗にいう“美味い話”に引っかかって大損をしたりする人も、知識が少なく視野が狭いために、警戒すべきところで警戒心が働かなかったのが原因の大半でしょう。
逆に、数多くの本を読み、貪欲に情報を得る人は、関心がどんどん広い範囲に向いていきます。
最終的には、日本や世界の政治経済の動きの中で自分自身の位置を見極め、何がベストの、あるいはベターな選択かを行うこともできるようになります。
今までと同じ、1日1時間の読書時間しか確保できず、1ヵ月でごく平均的数値の6冊しか読めなかったとしても、5倍のスピードで読書できるようになれば、1ヵ月では約30冊も読めることになります。1年では360冊、10年となると、3,600冊です。
通常の読書ペースでは1ヵ月で6冊、1年で72冊、10年で720冊ですから、10年間の蓄積では3,600冊弱という、何とも大変な分量が、知識量の上で差がついてしまいます。