速読書評『学問の技法』 | SP速読学院

速読書評『学問の技法』

高松インストラクター書評『学問の技法』

学問の技法 (筑摩書房)

橋本 努 (著)
232ページ

学問の王道から邪道まで、著者自身の苦悩から生み出されたテクニックを満載!
大学生はもちろん社会人も、読めば学問がしたくてしょうがなくなる、誘惑の一冊。

【読書の所要時間】 1回目 1時間(精読) 2回目 15分(全体理解)

つい最近、筑摩書房から出版された新書『学問の技法』。これは筆者も述べているように、主に大学生に向けて書かれた本だが、これから学問をしようという人にもまさにうってつけの本である。
 勉強が嫌いだったと思う方、学問とはなにかを知る機会を逸してしまった方、ただなんとなく大学時代を過ごしてしまったという方には、この本をおススメしたい。

 この本の章立ては知的モチベーションの技法・知的体育の技法・知的生活の技法・情報収集の技法・読書の技法・議論の技法・問いかけの技法・レポートの技法・論文の技法と9つの技法から成り立っている。それぞれの章において、学問の醍醐味を味わうためにはどのような準備、心構えが必要なのか、どのように生活に学問を取りこんでいけばよいのか、丹念な筆者からのアドバイスで溢れている。

 例えば、読書の技法などを挙げてみよう。ここには読書の目標、精読と多読、読書の価値、それをより高める方法が記されており、読書を単に読むだけの作業だけで終わらせない知的な楽しみ方が書かれている。筆者によれば、速読はある程度のスピードがあればよく、それ以上にすぐれた読書術とは「精読に値する本を読む技術を身につける」ことであるという。しかし、その精読に値する本と出会うためには、もちろん読んだ後に「無駄だった」と思われるような本にも出会わなければ、その良さも分からない。

 人生に素晴らしい影響を与えるであろう読書。大切な1冊に出会うまでに、その他多くの本に対して多大な時間を浪費してしまうのが私たち。その精読に値する素晴らしい本に出会うために、少しでも速読を活かせれば、より多くの素晴らしい1冊に出会えるだろうと思う。

 勉強は最初から答えが決まっている。そこに辿り着かなければ、間違っていると言われ、それが繰り返されると勉強が嫌いになってしまう。
学問はそうじゃない。間違っていても何度も何度もやり直して確かめて、そうして自分で答えを創りだしていくものだ。著者もあとがきで述べているように、この本はその知的な作業の入口に立つための準備を教えてくれる。
そこから培った勉強を活かして、新しい学問を生み出すのは自分自身である。

(高松インストラクター 2013年1月)


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