速読書評 阿川佐和子の『聞く力 心をひらく35のヒント』① | SP速読学院

おおがみインストラクター速読ブックレビュー 『聞く力』①

おおがみインストラクター書評『聞く力 心をひらく35のヒント』

聞く力 心をひらく35のヒント (文藝春秋)

阿川 佐和子 (著)
253ページ

頑固オヤジから普通の小学生まで、つい本音を語ってしまうのはなぜか。
インタビューが苦手だったアガワが、1000人近い出会い、30回以上のお見合いで掴んだコミュニケーション術を初めて披露する。

【読書の所要時間】 30分(1回)

今年のベストセラー第一位に輝いた「聞く力」の阿川佐和子さん。父は文化勲章を受章した小説家・評論家の阿川弘之さん。27歳の時、父と一緒に雑誌に掲載された写真がきっかけとなりテレビの世界へ。名インタビュアーとして週刊誌「週刊文春」の連載対談で20年間1000人近くの著名人から、なかなか聞けない本音を聞き出してこられました。その体験をもとに、失敗したとき、成功したとき、こういうこともあった、ああいうこともあった、そのような数々の彼女の経験が書かれています。城山三郎さんとの対談では、阿川さん一人で喋って終わったエピソードがあります。城山さんが聞き上手だったので、どんどん語りたくなったのです。城山さんのように、人の話を「面白そうに聞く」聞き手になればいいのだと気づき、城山さんを目指すという目標が生まれます。
 この本は、ノウハウを教えてくれるハウツー本というよりは、阿川さん個人の長年にわたる経験談です。インタビュアーという職業ではない一般の人たちも、家族間、友人間、職場の人間関係などで人の話を聞く場は日常的にあります。「自分と同じだな。」「そういうときもあったな。」と共感します。また、まだ自分では、はっきりと気づいていない聞き方のコツを認識できます。例えば、使い方が難しいのですが、「なぐさめの言葉は二秒後に」発するのが妥当だという結論に辿り着きます。確かに、なぐさめの言葉が発するまで、間がなくても、ありすぎても、不信感を抱きます。このように「うんうん」、「なるほど」となるわけです。「こんな時ちょっとこれを使ってみよう。」というヒントを得て、「聞く力」をいろいろと役立てられます。誰でも、聞き上手になるコツとして活用できるのです。「なぐさめの言葉は二秒後に」など、コミュニケーション能力というと、自分が発信するにはどうしたらいいか、自分から自分の気持ちや計画などを相手にどうやって伝えればいいのか、を多く問われます。実は相手の話を「聞く」のが一つのコミュニケーション能力だと気づかせてくれます。さらには「聞く」だけで人の役に立てるのだと知りました。
 阿川さんは、最初の15年くらいはインタビューが下手だ下手だと怒られ続け、ほめられたことは一度もなかった。一方的にしゃべり続けて終了、ほとんど相槌だけで終了、準備していた質問を読み上げるだけで終了、というような苦い経験。今でも対談に出かける前は、ビクビクどきどきして、未だにインタビュー修行中とのことです。あのテレビの中の、かわいくて明るい知的な阿川さんにとても親近感がわきました。人間として生きている限り、めげずによりよいコミュニケーションにチャレンジしていく勇気をもらいました。

(おおがみインストラクター 2012年12月)


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