速読書評『意外と知らない"古都”の歴史を読み解く!』
木野インストラクター書評
『意外と知らない“古都”の歴史を読み解く!京都「地理・地名・地図」の謎』
森谷 尅久 (著)
192ページ
京都の地理や地名、地図に隠された、古代から現代まで意外な歴史のエピソードを紹介。ただ観光するだけではわからない、思わずうなってしまう京都の雑学ネタが満載の本。
【読書の所要時間】 41分(精読で1回)
そういえば大学生から京都に住み始めて、もう10年近くになります。自分は三重県出身なのですが通学路をちょっとでも外れると混乱するほどの方向音痴なので通りがきれいに賽の目になっていて分かりやすい京都には感動したものです。
おかげで待ち合わせや初めて行く店などでも迷いにくいです。
(それでも最初四年ほどは河原町の近辺などはさっぱり分かりませんでしたが……。)
そこがそのまま京都への愛着となり長々といついてしまった訳ですが、長く住めば住むほど「そもそも京都は通りがなぜ賽の目になってるのか」と当初「便利だしいいや!」と流せていたことが疑問になってきます。この本はそういった疑問を先回り、様々な疑問に答えてくれる本です。
「天使突抜(てんしつきぬけ)という地名は、秀吉の“強引さ”から生まれた!?」
「蹴上という地名は源義経の残忍さを伝える?」
「異様に恐ろしい地名・閻魔前町の由来は何?」
「大文字の“大”の字は国土地理院の地図にも載っている!?」
「古代の京都には琵琶湖に次ぐ大きさの湖があった!」
「二条城はふたつある!?」
などなど京都にあまりゆかりのない方でも歴史雑学としても楽しめる項目が満載ですが京都に住んでいる方は数倍楽しめる事うけあいです。
実際自分も学生時代に「二つ目の二条城」を自転車で探しに行った思い出などが甦り、「また京都冒険するか!」という気持ちになりました。
実はそもそも京都検定を取るための記憶ネタのサポートになれば、という意味合いで読みはじめた本なので、これから何回も読む事となり長い付き合いになりそうな本です。
(木野インストラクター 2013年1月)