スパイに見る頭のよさ

脳は三パーセントしか使われていない

人間は一生の聞に、どれだけ脳を使うか、知っていますか?
なんと、ほとんどの人は、一生のうちで、わずか3パーセント程度の脳しか使わずに死を迎えます。
相対性理論を確立し、ノーベル物理学賞を受賞したアインシュタインは、二十世紀最高の頭脳と称される人物です。その偉大なアインシュタインですら、一生で使ったのは脳の10パーセントといわれています。あれほどの天才と呼ばれた人でも、大脳の90パーセントは眠ったままだったのです。
眠っている脳をあと1パーセント、あるいは2パーセントを活性化することができれば、能力は飛躍的に伸びるでしょう。つまり、眠ったままの潜在能力をどうやって活性化するかが、「頭をよくする」ためのカギとなります。

さて脳の話に入る前に、大多数のみなさんが関心を持っているであろう「頭がよい」というテーマで、お話ししましょう。
「頭のよい人」といわれる人たちには、特徴があります。
第一に「記憶力」です。「頭のよい人」はみな、記憶力がすぐれています。
第二に「回転の速さ」です。「頭のよい人」は、与えられた問題の結論を出すまでのスピードが速いのです。
いずれか片方だけではダメで、この二つの特徴を兼ねそなえた人を、頭のよい人」といいます。
どうすれば、この二つを身につけることができるでしょうか?

スパイに見る頭のよさ

あなたは『007」や『ミッション・インポツシブル」などのスパイ映画を見たことがありますか?
世界を舞台に暗躍するスパイたち。映画に限らず、ミステリーの世界でも、スパイは頻繁に登場します。有能なスパイほど「頭がよい」。これはまぎれもない事実でしょう。
彼らの武器の一つに、桁外れの記憶力があります。
有能なスパイなら、たった一度すれ違っただけの人の顔でも瞬時に記憶でき、自由自在に思い出すことができます。
また、ずば抜けて高い言語修得能力も、スパイの特長です。
スパイは活動の地で異邦人と疑われないために、是が非にでも外国語を修得しなければなりません。一流のスパイともなると、ほんの一カ月で外国語をほぼ完壁にマスターしてしまいます。日常会話程度なら、スパイは百カ国語もの言語を操ります。ネイティブ同様に話せる言語も五カ国語ぐらいあります。
ちょっと凡人には信じがたい話ですが、これも卓越した記憶力を有しているからこそ可能なのです。
スパイは秘密裏に行動するために、決して敵対勢力に気取られるような手がかりや足跡を残してはなりません。置かれた状況次第では、紙や鉛筆を使ってメモを取ることもできないのです。
頼りになるのは、自分自身の頭脳と肉体だけ。
スパイが大脳に構築したデータベース(情報のかたまり)には、スーパー・コンピュータに匹敵するほど大量の記憶がインプット(収納)されています。状況と必要に応じてスパイは、膨大な脳内デ-タを検索し、即座に目的の情報を引き出すのです。
それでは、これまでに一度も経験のない困難な場面に遭遇したら、いったいスパイは、どうするのでしょう?
たとえ窮地に陥っても、スパイはむやみに慌てたりしません。脳内データベースを高速で回転させ、使える情報はないかと検索します。既存の情報を組み合わせて、現状の困難打開にもっとも適当と思われる仮説を構築するためです。
ここでは、大量の脳内データを高速で検索できる「回転の速さ」が、危機打破にきわめて重要なカギとなります。
一瞬の油断が運命を左右しかねないスパイの世界では、「回転の速さ」が必要不可欠な能力だといえます。


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