速読理論 《目を動かす》プロセスの自動化

《目を動かす》プロセスの自動化

 文章読解にいくつかのプロセスがあることは、第一章で説明しました。この章ではさまざまな実験を通して、各プロセスの《自動化》について分析していきます。
 それでは早速、文章読解の最初のプロセス《目を動かす》から説明しましょう。
 まずは、次の図を見てください。
 米国の大学生を被験者にして、眼球運動を測定した実験データです。アイカメラを使って、被験者の角膜反射を1,000分の一秒単位で計測しました。
眼球運動を測定した実験データ
 文章を読むとき、人間の目はページ上を滑らかに動いているわけではありません。単語の上で目を止めては、頭の中にある《長期記憶》のデータと照合しているのです。
 文字の意味がわかったら、次の単語へ移動します。そして再び目を止めて、単語の意味を調べる。このくり返しです。読書をするときの自の動きは、滑らかな連続作業ではなく、不規則な運動です。
 心理学者は単語の上で目が止まることを《凝視》、単語から単語へ移動することを《サッケード》と定義しています。
 凝視とサッケードに費やす時間には、個人差があります。平均的な読み手なら、凝視の時間は0.25秒から1.5秒の問、熟練した読み手なら、およそ0.25秒です。熟練した読み手とは、文法や構成がおかしな文章でもない限り、途中でつまずかずにスラスラ読める人を指します。
 速読のトレーニングを積むと、凝視の時間は0.1秒から0.25秒と、さらに短くなります。一行の文章を読むだけでも、目がすばやいスピードで凝視とサッケードをくり返しているのがわかるでしょう。
 読書時間に対する凝視とサッケードの割合は、前者が90パーセントから95パーセント、後者が5パーセントから10パーセントです。
 すなわち私たちは読書の際、ほとんどの時間を凝視に費やしている計算になります。凝視時聞が短くなればなるほど、読書スピードはアップします。
 情報を脳にインプットするのは、凝視のときだけです。単語から単語へ視線を移動させるサッケードの間は、脳に情報は取り入れられません。
 文章が行末までくると、視線は次の行へ移動します。熟練した読み手は、『目を動かす』処理が自動化しているので、特に意識しなくてもスムーズに行間移動ができます。
 ところが《目を動かす》処理が自動化していない読み手だと、この動作をするにも労力がいります。
 たとえば小学校に入学したばかりの児童は、うまく行間移動ができません。同じ行を二度読んだり、飛ばしてしまったりします。そこで、一行ずつ読んでいくために、児童は《指差し読み》という方法をとります。今、読んでいる文章の先頭を、人差し指で示しておく読みかたです。これなら次の行へ移るときに、間違えなくてすみます。
 大人でも、行頭の文字が共通していると、時には行替えを間違えることもあります。それをふせぐために、熟練した編集者や書き手は、行頭に同じ言葉が並ばないように工夫を凝らします。
 ちょっとした実験をしてみましょう。次の文章を、漢字の書き順のとおりに読んでください。
漢字の書き順
 いかがでしたか。日を動かすのは、意外に難しいでしょう。ためしに、回線で空中に円を描いてみてください。目線だけで描く円は、どこか歪んでいたり、きれいな形になりにくいものです。人間の目は、訓練をしないと思ったとおりに動かないのです。
 《目を動かす》プロセスの自動化とは、読書時に行間移動をすばやく無意識で行えることを指します。
 「どうも自分は行間移動をスムーズに行えていないようだ」と感じる人は、次章以降に紹介するトレーニングを実践するとよいでしょう。

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