文字を音にするクセをなくせ | SP速読学院

文字を音にするクセをなくせ

1章で「目は映像をとらえるレンズにすぎず、実際に情報を処理するのは脳である」と説明した。では、本を読むとき、脳はどんな働きをしているのだろうか。

大多数の人は、本を読むとき、「心」の中で文字を音読している。実際に頭の中で「音読」の声を聞いているように自覚している人も多い。この場合の心とは、大脳の側頭葉に位置する中枢だ。ウェルニッケ中枢は、言葉を聴いて理解する部位である。
読書の際にも、このウェルニッケ中枢を使用する。文字を音読する「心の声」を「ウェルニッケ中枢でとらえて理解しているのだ」と考えていただきたい。読書時に心の中で文字を音読するのは、ウェルニッケ中枢に存在する「エコー記憶」の力を活用するためである。

エコー(こだま)という名のとおり、音読した文字は脳の中で反響する。新たに取り込んだ文字(知識)を脳内で響かせて、しっかりと刻み込むのは、エコー記憶の力だ。子供の頃に「暗記したい事柄は、何度も繰り返し読んだり書いたりして覚えることだ」と教えられなかっただろうか。
ただ漫然と教科書を眺めているだけでは、書かれている内容を覚えるのはむずかしい。暗記学習の際に声を出して教科書を読むのは、エコー記憶を刺激するうえでも有効な方法である。本の内容をしっかり理解するうえで、音読は大切な役割を担っていると言える。しかし、音読には利点だけではなく、弊害もある。

たとえば、あなたは歌いながら本を読めるだろうか? 
あるいは会話しながらでもかまわない。
歌ったり話したりしながら、同時に読書できるかどうかを想像していただきたい。

おそらく無理だろう。どちらかに意識を集中すれば、片方がおろそかになる。歌や会話と読書を両立するのは非常にむずかしい。これは大脳の前頭葉に位置する聴覚野の「ブローカ中枢」の力が働くためである。暗記に有効なエコー記憶の力をブローカ中枢が阻害するのだ。ブローカ中枢は発音する際に使う部位で、複数の音を同時に処理することはできない。
読書の際に、小さな声で実際に発声するクセのある人がいるが、これはよくない。発声により、ブローカ中枢が働き、ウェルニッケ中枢の働きが鈍ってしまう。
エコー記憶の力を最大限に活かすには読書時のブローカ中枢の働きを極力、おさえなければならないのである。それには、発声のクセをまず取り払おう。

強制的な手段としては、読書の際にガムやキャンデーを食べるなどの方法もある。しかし、それよりもつと効果的なのが、速読術をマスターする方法だ。一定以上のスピードで読書できるようになれば、発声のクセは自然にとれるもの。速すぎて声帯が稼働しなくなるからである。また、速読術が上達すると、同時に複数箇所を読むことができるようになるが、音読は同時に複数箇所を読むことはできない。
このように速読術が身につけば、本を読んで理解するプロセスにおいて、音読という「ブレーキ」をなくすことができる。

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