第六回 「試験勉強。くり返し読まなければ……」

第六回 「試験勉強。くり返し読まなければ忘れてしまう理由」

橘先生「例えば大学入試で難関大学に合格する人は、『文章を記憶する』ことができるんですよ。『思考を働かせる』という処理ができるんですね。これは『熟読』に当たります。
『熟読』の能力というのは、入試であったり、司法試験であったりの試験に合格するための、実は最も重要な能力です。
 でも、多くの人は、この能力がないんです」

『熟読』という言葉が出ましたので、ここで、読書の三つの種類をご紹介します。

・全体理解……文脈を理解し、あらすじ、あらまし、大意を掴む読み方。
・精読……細かい部分まで内容をきちんと理解しながら、注意して読んでいく方法。
・熟読……行間まで深読みしながら、慎重に読んでいく読解方法。
(引用:『速読術が日本史でマスターできる本(武光誠・橘遵)』)

橘先生「『熟読』の能力があると、よくできる人は、一回読んで、内容を深く理解していますので、覚えて、そして試験の時に、解答することができますね。二回、三回やれば十分です」

永田「それは、かなりの時間節約になりますね。試験勉強といえば、覚えるまでに何度もくり返しをするといったイメージがありますが、熟読をマスターしていれば、その必要もありませんね」

橘先生「くり返さないと入らないのは、理解する能力が弱いんですね。
 読み方でいえば、あらすじやあらましなど、大雑把な『全体理解』しかできないわけなんです。
 全体理解のような大雑把な状態は、記憶は弱いんですね。記憶が弱いと、長期記憶に入ってこないんです」

永田「全体理解で読んでいるから、くり返さないと入らないわけですね」

 そう、と頷かれる橘先生。

橘先生「試験前によく、一夜づけってやりますよね?」

永田「とても親しみのある単語ですね。学生時代はよくやりました」

橘先生「一晩で範囲の内容を覚えようとする。あれは『短期記憶』なんです。試験が終わって何日かすると忘れてしまいますね」

永田「確かにそうですね。短期記憶というのが、何日かすると忘れてしまうということは、『長期記憶』に入れば良いわけですね?」

橘先生「長期記憶っていうのは、一ヶ月以上保持されるような記憶なんですね。そのためには、もっと深い理解。あるいは、イメージする力が必要です」

 読み方と記憶力は深い関係性があるようです。
 次回は記憶術にまつわる、右脳のお話をうかがいます!
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