PC文章チャンキングの自動化トレーニング

PC文章チャンキングの自動化トレーニング

 ここで、チャンキングの自動化の理論について触れましょう。
 チャンクとはかたまりを意味します。チャンキングとはかたまりとして処理するという意味です。
 例えば、ある人がNTTの104番に電話番号を問い合わせるとします。相手先の市外番号が仮に“075”としたら、“075”を京都市の電話番号と知っていたら1チャンクで処理できます。知らなければ覚えるのに3チャンクが必要です。このように意味的にまとめて処理ができると1度に覚える記憶量を増やしていくことができます。
 では、文字を読むときにチャンキングの原理をどのように活用しているか考えてみましょう。
 例えば、小学校1年生は文字を1文字づつ見ながら理解しています。1文字を1チャンクで処理し、その時に1つの作動記憶を消費しています。しかし、小学校高学年になり読書教育が進んでいくと次第に文節ごとに処理ができるようになります。
 1文節を5文字平均とすると、これを1チャンクで処理し、その時に1つの作動記憶を消費しています。平均的な読者は1文節で読んでいます。速読初級者は3~4文節(15~20文字平均)を文章の単位で処理し、1つの作動記憶を消費します。速読上級者は段落(100から150文字)ごとに処理し、その時に1つの作動記憶を消費します。
 平均的な読者は1段落を約20回、目が静止し、文節を連結して初めて理解します。つまり20チャンク以上が必要になります。それを速読上級者は、一段落を1チャンクで処理するわけです。そうすると、作動記憶の容量を大幅に節約することができます。速読できる人はチャンキングの自動化が起こっているわけです。
 そして、SP式パソコン速読トレーニングにより、単語再認の自動化やチャンキングの自動化が起これば、作動記憶の大部分を文章記憶処理に集中させることができます。例えば歴史小説を読んでいる時に、日本史や世界史で学習した背景知識がスキーマとして使われ、さらに理解を深めることができます。
 また文章を批評してみたり、自分なりの創造的な考えを思い巡らしながら本を読むことも、可能になります。この読みは、一般的に「熟読」という読み方であり、かなり遅い読みになりますが、速読をマスターすると、普通の人の何倍ものスピードで精読や熟読が可能となります。これは脳内の認知システムが自動化されることにより、より深い理解や記憶を伴った読みが可能になることによります。そして、試験やビジネスの現場で必要とされている読みが精読や熟読の読み方になり、繰り返して読めば記憶される読み方になるのです。
 SP式が優れている部分は、大雑把な全体理解の読み方が速まるだけでなく、正確に理解して読むスピード精読の読み方をも速まることにあるのです。私はこの読み方を多くの学生やビジネスマン、OLがマスターすることで、日本人の文化レベルが向上できると確信しています。
 それでは、ここで、全体理解や精読のスピードがどのように向上するか、について述べましょう。大脳生理学や認知心理学で明らかにされている大脳の働きにのっとった正しい精読の訓練を受けると、その度に読書スピードは着実に向上します。そして、音読の影響を受けながらも、過1回以内のトレーニング間隔であれば、徐々に上達し、従来の音言売や返り読みの習慣が改善されていきます。やがて精読のスピードが3000文字/分以上になってくると、音読の影響は徐々に弱まっていき、速読能力は定着化していきます。


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