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速読基礎理論…… 脳は左右で性質が異なる

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人間の脳は、に左右対称の半球が二つ重なった形をしています。右側の半球を【 右脳 】、左側の半球を【 左脳 】と呼びます。右脳と左脳はそっくりな形をしているものの、特性はそれぞれに異なっています。
 空間的な認識力がすぐれており、視覚的な情報を総合的に支配するのが右脳です。絵や音楽などの芸術的な分野に強く、【 感性の脳 】とも呼ばれています。右脳は情報を絵や図形といった、【 イメージ 】でとらえるのが特徴です。
 それに対して、左脳は【 言語脳 】と呼ばれます。その名のとおり、言語機能をつかさどる器官です。言語や数字に強く、論理的な思考を得意とします。左脳は数字や言葉で、情報をとらえます。
 
 映画を観るシチュエーションを例に、右脳・左脳の働きについて説明しましょう。映画は、セリフとシーンで構成されています。俳優が話すセリフを理解するのは、左脳です。
 対して、スクリーンに流れるシーンをとらえるのは右脳です。セリフの言語情報は左脳で、シーンの視覚的情報は右脳で、と私たちの脳は役割分担をしているのです。
 こうした性質の違いを発見したのは、英国の神経科学者ロジャー・スペリーです。スペリーが発表した論文は、1981年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
 かつては左脳が優位脳とされていました。文字の読み書きや数の計算など、高度な処理をつかさどる論理的な能力を、高く評価されていたからです。一方、右脳は劣位脳とされ、やや軽んじられていました。
 しかし近年、これまで劣位脳とされていた右脳が、にわかに注目を浴びるようになりました。スペリーは論文の中で、「右脳には情報を同時並行で処理できる能力があり、かつ記憶を長く保つことができる」と述べています。
 この発表により、右脳の評価は一変しました。【 情報処理能力 】【 記憶力 】のいずれも、現代人にとって必要不可欠な能力だからです。ようやく、右脳が認められる日がきたのです。
 しかし、右脳と左脳のどちらが優秀なのか、といった議論には、あまり意味がありません。右脳と左脳は互いに性質が異なり、それぞれの能力の優劣を比べることは難しいのです。むしろ、勉強や読書で能力をアップさせるには、左右の脳をバランスよく使ったほうが効果的でしょう。

人間の記憶のシステム

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人間の記憶は、【 短期記憶 】と【 長期記憶 】という二つのシステムからできています。
これを【 二重貯蔵モデル 】と呼びます。図に示されているように、短期記憶と長期記憶は互いに矢印で結ばれています。短期記憶から長期記憶へ、または長期記憶から短期記憶へと、両者の間ではデータがやりとりされています。
 感覚記憶というのは、目や耳といった五感でとらえた情報です。ほんの一瞬で消えてしまう記憶です。対象に特に興味を持たなかった場合、感覚記憶のデータは、すみやかに消去されます。脳が「これは必要だ」と判断したものだけ、情報は感覚記憶から短期記憶へ転送されるのです。さらに短期記憶への刺激をくり返すことで、情報は短期記憶から長期記憶へ転送されます。あっさりしているようですが、人間の脳にも容量があるので仕方ありません。見たもの聞いたものをすべて記憶しようとすれば、脳はわずか数分でパンクします。
 また、図でもわかるように、情報のやりとりは一方通行ではありません。長期記憶からデータの一部を選び出し、短期記憶へ転送する場合もあります。
 これらの働きを行うのが、大脳の前頭前野にある【 ワーキング・メモリ 】です。

ワーキング・メモリの働きとは

文章読解には、いくつかのプロセスがあります。ワーキング・メモリは、そのすべてのプロセスを担当しています。私たちは目で見たとおりに文字を読んでいるわけではありません。文章を理解するのは、あくまでも脳です。
 図書館の例で説明します。調べものをするために、図書館へ行ったと想像してください。広い図書館には、ぎっしりと本が並んでいます。長期記憶とは、図書館に保存されている本のようなものです。あなたは膨大な本の中から、論文を書くために数冊を手に取りました。図書館には本がたっぷりありますが、必要なのは数冊です。これが短期記憶です。
 脳の中に保存されているデータ(長期記憶) の中から必要なものを選び、それを自在に扱うのがワーキング・メモリの働きです。また、新しい情報をデータに加えるのもワーキング・メモリです。
 すなわち、ワーキング・メモリは図書館における司書のような役割を持っていると言えます。膨大な量の知識を管理し、必要に応じて取り出したりするのですから大忙しです。
 実際には、ワーキング・メモリの容量は、さほど大きくありません。ですから、効率の悪い使いかたをしていると、すぐ容量が一杯になります。
 本を速く読めない、読んだ内容が頭に入らない、といった現象は、ワーキング・メモリの容量不足が原因なのです。

文章読解の認知モデル

文章読解のプロセスについての、詳しい説明に入ります。下の図を見てください。
 文章読解には、いくつかの段階があります。
【 目を動かす 】【 音読する 】【 単語を探す 】【 文法をつかむ 】【 文章を理解する 】【 内容を憶える 】の6 つの段階です。日頃、読書をするときに、こうしたプロセスを意識する機会はないでしょう。しかし、文章を読解するには、非常に高度なテクニックがいるのです。
 世の中には、文章を読解することを不得手とする人がたくさんいます。本書の読者の中にも、国語が苦手だという人がいるのではないでしょうか。文章読解が得意な人は、一連のプロセスをスムーズに行っています。一方、文章読解が苦手な人は、それぞれのプロセスを処理するのに、時間や手間がかかりすぎているのでしょう。
 6つのプロセスを行っているのはワーキング・メモリです。すでに説明したとおり、ワーキング・メモリの容量は、それほど大きくありません。一つのプロセスに容量をたくさん使ってしまうと、残りの分が足りなくなります。
 文章読解の能力を向上させるコツは、一連のプロセスを【 自動化 】することです。そうすれば、ワーキング・メモリの容量不足になりません。
 
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※画像をクリックすると大きいサイズでご覧いただけます。

読書には三通りの方法がある

速読法は言うまでもなく本を速く読むための技術です。しかし単に速く読めるだけで、理解力がそれに追いついていかなければ意味がありません。作者の言葉を一言一言味わったり、行間の裏の裏を考察しながら読む読書というものもあるでしょう。
 読書は必要に応じていくつかの読みかたがあるものです。飛ばし読みや部分読みは、読書とは言えません。SP式ではいろいろな読書場面を想定して、読書には【 全体理解 】【 精読 】【 熟読 】の三通りがあると考えます。
 まず、朝の満員電車で新聞を読んでいる状況を思い浮かべてください。通常、人が新聞を読む目的は世の中の流れを全体的につかむことにあります。白分に関わる出来事や記事なら詳しく読むでしょうが、細部までは注意して読んでいません。このように文章の内容やイメージを大まかに把握する読みかたを【 全体理解 】と呼びます。【 全体理解 】は、文脈を理解し、あらすじ、あらまし、大意をつかむための読書方法です。
 次に推理小説を読んでいる場面を想像してください。おそらくあなたは完全犯罪のトリックや容疑者のアリバイなどを考え、さらにページごとに展開されるシーンやデータを頭に入れて読み進めていくでしょう。このように細かい部分まで内容をきちんと理解しながら注意して読んでいく方法を【 精読 】と呼びます。【 全体理解 】に比べるとスピードは若干落ちますが、文章の理解度や読後の満足感は深いものになります。【 精読 】は教科書を復習したり、ビジネス文書の決裁をする時の読みかた、と言うことができるでしょう。
 そして試験の長文読解の問題に取り組んでいるシーンを考えてください。長文間題は難解な文章が多いので、何度も読み返したりして、出題者の意図を探りつつ、行間まで深読みしながら慎重に読んでいかなくてはなりません。このような読解の方法を【 熟読 】と呼びます。【 熟読 】は深い思考が働く読みかたです。文芸作品の行間を味わいながら読む【 味読 】も【 熟読 】の定義に含めます。【 精読 】以上の思考力と集中力が必要とされ、読書スピードは遅くなりますが、文章理解度に関してはもっとも充実した読みかただと言えるでしよう。
 読書方法には【 全体理解 】【 精読 】【 熟読 】の三通りあることがおわかりいただけたでしょうか?読書する場合、この三つの方法を状況に応じて使い分けることが大切になります。

速読による読解力の向上

速読法をマスターすれば、限られた時間で読書量をふやすことが可能になります。同じ時間を使って多くの情報を仕人れることができるので、当然試験勉強などの効率も大幅にアップ。成績上昇はまちがいありません。
 しかしあなたはこう思うかもしれません。試験勉強では、全体理解よりも読書スピードの劣る精読をしなければならないから、速読を学んでも意味がないじゃないかと。
 確かに大まかな全体理解は、試験勉強には通用しません。正確に理解して記憶に残るような精読の読みかたが要求されるからです。速読= 全体理解のように思われがちですが、それは正しくありません。SP式速読法は全体理解だけでなく、精読、熟読のレベルにまで影響をあたえます。
 SP式速読法を実践すれば、大脳の情報処理能力が大幅に向上し、【 全体理解 】はもちろんのこと、【 精読 】や【 熟読 】の読書スピードも格段にアップするのです。
 結論から言えば、SP式では精読のスピードを毎分2000~10000文字にまで高めることができます。一般の人間が読む速さの3倍から16倍速く読める計算になり、それだけ反復学習の時間を作ることができます。記憶には【 短期記憶 】と【 長期記憶 】の二種類があることを述べました。試験勉強で読書する場合は短期記憶を用いていますが、3~5回くらい反復すると、長期記憶に転送され、記憶は確実なものとなります。試験の前には大変有効でしょう。また試験のときは、普通の人が一回読んで解答するのがやっとだとしたら、3回は読み直すことができるので、ミスも少なくなり、それだけ有利になるでしょう。
 SP式の速読トレーニングにより、読解力を向上させることが可能となりますが、国語の読解力はすべての教科の基本となります。国語読解力が不足している人は、算数や数学の計算はできても、応用問題はできないことがあります。また、英語の読解問題の際、普段から新聞などを読んでいなかったり、あるいはそのジャンルについて考えた経験がなければ、それを英語でわかることなどできるはずがありません。概念知識がないものを他の外国語で理解するなどまず不可能です。社会や理科の暗記科目は、先にふれたように、速読によるスピードアップにより、反復学習が可能となり、暗記が楽になります。
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