速読書評『人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか』

高松インストラクター書評
『人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか』

人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮社) 人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮社)

森 博嗣 (著)
208ページ

熟考したつもりでも、私たちは思い込みや常識など具体的な事柄に囚われている。問題に直面した際、本当に必要なのは「抽象的思考」なのに―。
明日をより楽しく、より自由にする「抽象的思考」を養うには?
一生つかえる思考の秘訣が詰まった画期的提言。

【読書の所要時間】 45分(精読で1回)

人間は生きていれば、様々なことについて常に考える。
それは、生きる意味であったり、学ぶ意味であったり、はたまた今日の夕食であったり。
人間は考えることを事欠かない。
しかし、そのあなたの思考は、はたして「本当に」考えているのだろうか?
本書はこの部分に鋭く切り込み、自分の思考回路、そして習慣までもを見直させられる書籍である。
この本では繰り返し「抽象的に考える」という言葉が出てくる。
この抽象的とはなんだろうか?
それは物事をより俯瞰的に捉え、全体を吟味し、何事も決めつけず、ぼんやりとした視点でみること。
そうすることによって、いわゆる「客観的な視点」を持つことに近づくことができ、物事の本質を見極めることができるようになってくる。
そして、凝り固まった主観的な思考とは対照的に、より柔軟な発想と思考を生み出すことができるようになるのである。

といっても、それは具体的にどういうことだろうか。
そんな疑問が浮かんでくるだろう。
だが、森博嗣はこの問いに対して「具体的な例は敢えて挙げない」という形で答える。
物事は具体的にしてしまうと、抽象的な捉え方ができなくなってしまう。
そのため、本書もできる限り抽象的に進んでいくのだ。

しかし、全くないと読者の理解が進まないため、著者は「抽象的思考の身につけ方のようなもの」を紹介する。

抽象的な思考とは一朝一夕で身につくものではなく(速読と同じですね)、日頃からそういう思考回路を頭の中に意識しておくことが必要だという。

例えばビルを建設するためには、その土台をしっかり固めておかないとたちまち崩れてしまう。
この考え方は人間の勉強にも繋がるのではないだろうか。
基礎がしっかり固められていなければ応用に取り組むことはできないだろう。

簡単な例だが、このように1つのことを考えたとき、本質的にほかの何かに繋がることがないだろうか。
そんな考え方をすることによって、抽象的思考をというものが少しずつ身についてくる。

著者が言うように、現代は「具体的な情報」がありふれすぎている。
この具体的な情報をいかに抽象的に捉え、本質を抉り出すかが、その個人の力量にかかってる。

ぜひこの本を一読し、身の回りにある情報に一度「?」を思い浮かべてほしい。
そしてそれは本当なのか、実は作られた情報ではないか、本質は何か、そこまでぜひ考えていただきたいと思う。

(高松インストラクター 2013年4月)


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