速読書評『知の逆転』

飯田インストラクター書評『知の逆転』

知の逆転 (NHK出版新書) 知の逆転 (NHK出版新書)

ジェームズ・ワトソン ほか(著)/吉成真由美 (インタビュー・編)
301ページ

「二重らせん」構造を解明したワトソン、「普遍文法」を提唱し言語学に革命をもたらしたチョムスキー…… 限りなく真実を追い求め、学問の常識を逆転した叡智6人。彼らはいま、人類の未来をどう予見しているのか。現代最高の知性が最も知りたいテーマについて語る興奮の書。

【読書の所要時間】 1回目精読、2回目全体理解 合計:50分

本のタイトルからは内容が想像できない。
本の帯を見てみると、そこにある1文が飛び込んできた。
「未来の真実がここにある」
実際読んでみた印象は「世の中の、ずば抜けて頭のいい人に、僕らの未来がどうなっていくのかをインタビューしてみました。」という感じでしょうか。

本書は偉大な発見をした学者6人に著者がインタビューをしていく、という構成になっています。
話題は世界状況、環境問題、社会問題、教育、芸術と多岐にわたっていく。

私が読む前に期待したトピックは社会構造の変化や人々の暮らしがどうなっていくのか、その辺りだったと思います。
ですが読んでいて、僕が普段から考えていた問題についての答えに偶然出会えました。
ここで紹介するのはそのセレンディピティな2つのことについて。

それまず一つはチョムスキーのインタビューの中の一節。
著者の早期教育についてどう思うか? という質問に対して。

 「海兵隊員や労働者になるための訓練としてはいいと思います。」

これには思わず頬が緩んでしまいました。これは本質的なことを言っているなと。
私も教育関連の仕事をしているということ、そして幼い娘がいるということで、子供の教育は大きな関心事です。
さらにチョムスキーはこの事柄についてこう結んでいます。
「テストをするために教育をするという傾向は本当に有害だ。中略~子供達の自然な好奇心をはぐくみ、内面から出てくる興味に根ざした教育をすべきという~18世紀の洞察(教育哲学)はおおむね正しいでしょう。」

そして二つ目。私自身が強い関心を持っている音楽について。
オリバーサックスのインタビューの中で「個別の記憶やエピソード記憶が失われてしまっても音楽は残っています」との指摘が。
失語症やアルツハイマー型認知症の患者が音楽によって言葉、記憶を蘇らせた事例が紹介されていました。
例えば20年前に聞いていた音楽を聴いたときに、当時の様子、情景がありありと浮かんでくることがありませんか?
病気によっても音楽の力は浸食されず、長く残っているようです。
最強の記憶は音楽ということか…。

読書の醍醐味でもあるのですが、ひらめきや気づきを得たところは自分の知識と繋がりネットワークが形成されていく。ちゃんと情報が血となり肉になるということですね。
この本では度々その繋がりを実感できました。
日々の生活の中で、大量の情報を浴びているという僕ら現代人はそれ故に物事の本質が見えづらくなっています。
この本は混沌とした世の中を整理してくれるような知恵を与えてくれる良書です。
私が取り上げたのは一例の一例。
その他にも老いること、人間の成長について、いじめについてなどシンプルで興味深い洞察が描かれています。
世に「なぜ?」と問う機会が多い方、物事の本質を知りたい、そんな方におすすめです。

(飯田インストラクター 2013年1月)


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