速読書評『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』

浅岡インストラクター書評『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』

ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文藝春秋) ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文藝春秋)

今野 晴貴 (著)
245ページ

違法な労働条件で若者を働かせ、人格が崩壊するまで使いつぶす「ブラック企業」。もはや正社員めざしてシューカツを勝ち抜いても油断はできない。若者の鬱病、医療費や生活保護の増大、少子化、消費者の安全崩壊、教育・介護サービスの低下… 「日本劣化」の原因はここにある。

【読書の所要時間】 35分(精読で1回)

ブラック企業という言葉を聞くと、「ひどい企業」の事だろと思ってしまう。
ブラック企業問題と聞くと、入社してしまった人の個人的な被害の事と思ってしまう。
ブラック企業に入った人は可哀想、そこに入ってしまった人にも責任がある。と他人事のように考えていた。
結局、ブラック企業問題なんて個人の問題でしかないというのが私の考え方だったからだ。
私だけにではなく、個人の問題でしかないと考えている人は少なからずいるのではないだろうか。
本書のタイトルは「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪」である。
このタイトルを見て、ブラック企業によって被害を受けるのは、一個人であるはずなのに日本が被害を受けるなんてどういうことだろうか、と気になり本を読むことにした。
他人事としか思っていない私にとってブラック企業がどのような事をしているのか興味がなかったので、労働時間が長いのだろう、休みが取れないのだろうとしか思っていなかった。
本を読み、衝撃を受けた。
ブラック企業の実態というのは私の想像を遥かに超えていた。まぁ、私のこれまでの考え方が甘かったというのもあるだろうが。

入社して研修を受け、技術の向上であったり、社会人としてのマナーを学びしっかり働ける人材として育成される。
それが研修だと私は思っていた。
しかし、ブラック企業の場合はここからすでに違っている。
人材の育成が目的ではなく、ただただ従順で、会社に文句を言わずに働いてくれる人を選抜しようとしているに過ぎないのだ。
会社、いや、ブラック企業にとって必要なのはそのような人材なのだから当然なのかもしれない。
では、ここで採用したはいいが、ブラック企業にとっていらない人材はどうなってしまうのか。
解雇をするのである。ただ、解雇するのではない、巧妙に、それも企業側には損がないように行うのである。
本書には、ブラック企業の辞めさせる「技術」という章がある。
ここには、ブラック企業の自己都合退職に追い込む巧妙な「技術」がかかれている。
自己都合退職ほど企業にとって不利にならないことはないのである。なので、ブラック企業はそこに辞めさせたい人材を追い込んでいくのだ。
私の周りの人間にもこのようなことになっている人がいるのではないかと読んでいるだけで恐ろしかった。
そういう場合にどうしたらよいのだろうか。対処法についてもしっかりと明記されていた。
それは「戦略的思考」を駆使するということだ。
あえて、具体的な事は書かないことにする。書いてしまうと、本を読む楽しみを奪ってしまうと思うからだ。
その「戦略的思考」を駆使することで、個人としてだけでなく、団体として、ブラック企業に立ち向かっていける。
団体として、多くの人でこの問題に取り組むことでブラック企業問題を減らせるだろう。
しかし、個人の問題であるうちは、多くの人にとってブラック企業問題は他人事である。
本書ではそのため、後半にブラック企業がどのようにして日本を食いつぶしているのか、社会問題として扱うべきなのかが書かれている。

本書の魅力は、ただ単に個人の被害を強調して書いているだけの本ではないという事である。
この本を読むことにより、ブラック企業問題がいかに日本の社会や経済を破壊する恐れのある社会的問題だと気付くことができる。

(浅岡インストラクター 2012年12月)


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