速読ブックレビュー・書評

草野インストラクター書評『生きる悪知恵』

生きる悪知恵 (文藝春秋) 生きる悪知恵 (文藝春秋)

西原 理恵子 (著)
214ページ

飲酒で高校を退学処分。水商売でアルバイト。離婚したのち、ガンを患った元夫の最期を看取る―。「おカネ」「男と女」から「ビジネス」「家族」「トラブル解決法」まで、波瀾万丈の人生で培った処世術を伝授する。

【読書の所要時間】 30分(精読~熟読で1回)

『ぼくんち』や『毎日かあさん』の作者である西原理恵子氏が一般の方からの相談に答えていく本です。相談の内容は仕事や家庭、人間関係など何かしら皆さんが身近に抱えているトラブルとなっています。
 就活や職場での人間関係等の「仕事編」に始まり、夫婦間や親子間の「家庭編」、彼氏彼女の「男と女編」、方向音痴や空気が読めない等の「性格編」、生活していく上での付き合い等「トラブル編」の5章で構成されており、様々な相談に西原氏ご自身の人生経験を元に例えを交えながら完結に結論づけていきます。
 作者自身が飲酒で高校を退学処分、水商売でアルバイト、離婚したのちガンを患った元夫の最後を身取る――などの波乱万丈な人生を送ってきたからこその言葉が書かれています。就職活動や嫁姑問題、近所付き合い、金銭トラブルなどの幅広い相談に著者の視点から答えてあるのですが、例文もわかりやすく、なるほどと思える新しい考え方をみせてくれます。
 それぞれの相談の最後には一言で結論が述べられているのですが、それがまた西原氏独特の考え方が書いてあり、中には笑えてしまうものもあります。
 「使えない部下にイライラします」→「ネジだと思えば腹も立たない」
 「妻の飯がマズいんです。はっきり言うべきでしょうか」→「焼いてポン酢をかければ何でもうまし」
 「義母からの早く子供をとのプレッシャーがつらいです」→「そのうち死ぬから、放っておけ」
 「いらんこと言いな性格をどうにかしたい」→「大阪に引っ越せば問題なし」
 相談内容によってはバッサリと切り捨てられているように感じる部分もあれば、ご自身や周りの方の体験を元にしっかり答えてあります。ただ独特な言い回しになっているため、深刻な悩みに対する答えでも面白く読めてしまいます。各章の間には、綾辻行人氏やしりあがり寿氏、伊東理沙氏、重松清氏、角田光代氏などの著名人からの質問に答えているのですが、その質問と答えもまた笑えます。
 西原氏自身の考え方であり、実践となるとなかなか難しい答えもありますので、当事者には必ずしも参考になるとは限りませんが、新しい考え方として別の角度から見る為の本としては良いかと思います。我慢や無理をせず、時には他人に任せてみるなどの手を抜く大切さが書いてあります。「悪知恵」は「生きる為の知恵」にもなってくると感じました。特に普段真面目に考え過ぎて生きていくのに疲れてしまっている方へお薦めの一冊です。肩の力が抜けて少し楽になれると思います。

(草野インストラクター 2013年1月)


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