速読書評『一生モノの英語勉強法 「理系的」学習システムのすすめ』 | SP速読学院

速読書評『一生モノの英語勉強法』

土居インストラクター書評
『一生モノの英語勉強法 「理系的」学習システムのすすめ』

一生モノの英語勉強法 「理系的」学習システムのすすめ (祥伝社)

鎌田 浩毅、吉田 明宏 (著)
280ページ

「なぜ、英語ができなかったか」がわかる!
京大人気教授とカリスマ受験英語教師が新しい視点から説く、英語学習の超入門書。

【読書の所要時間】 25分(熟読で1回)

最近よく思うこと、私は本当に語学の勉強が好きである。語学学習は終わりがない。それ以外のことでも何かを続けるという行為は、まるで自分の命が永遠に続くかのような錯覚に陥る。今の自分はきっとどこか知らない世界(未来)へ向かっているのだ。今の自分の力量では成し得ない事も、何かを続ける事でいつかきっと出来るようになる。そんな気持ちになる。

 今までの私の英語力は留学のおかげで得た部分が多い。語法の使い分けがとても苦手、語彙があまり多くないなど自分の苦手な部分を見ないように見ないようにしていたらいつの間にか6年も時が経過…。なんとかしなくては今の英語力も中途半端になってしまうと危機感を持っていたところ、今月の1冊「一生モノの英語勉強法」を発見。副題が【「理系的」学習システムのすすめ】とある。計算も苦手な私だが常々「理系」という響きに変な憧れを持っている。(いわゆるナイモノネダリだろうか)理系の人々は自分自身の事をしっかり管理できるんだろうな~という漠然とした印象を勝手に昔から持っているのである。

 本書には要所要所でそんな理系的発想勉強法がつづられている。
 一例としてSP速読学院の記憶術トレーニングにもよく出てくるフレーズ「短期記憶と長期記憶」だ。これを読書ではなく問題集に置き換えるとこうなる。問題集を1冊仕上げる事は、実は単なる「短期記憶」として覚えたにすぎないのだ。私も学生時代に多く経験があるが、問題集を1冊最後までやり終えた事、それだけで妙に満たされいた。今考えると本当に大問題である。「短期記憶」として覚えた情報は、その後「長期記憶」に移さないとせっかく時間をかけて学習したのにほとんど忘れてしまうのだ… 本当にぞっとする現象である。ではどうすればいいのか? ここで大事なのが「反復学習」=「復習」を必ず行うことである。そんな事分かっているが出来ないんだ~! という方がいったいどれぐらいいるだろう? 速読ができるようになるとクリアできる問題ではあるが… それでも身にしみ込んだ怠け癖はなかなか取れないのである。そんな人にもおすすめなのがこれ、予め「復習日」を設定しておくことだ。例えば正解した問題なら1週間後、まったく見当違いの誤答をした問題なら2日後など… 定着度によって復習日を変えるといいそうだ。

 以上を踏まえたうえで私が今実践しているのは「付箋反復法」である。以前からノートに単語や文章を書き込んでも、書くことに満足してその後ノートを開かない、という無意味なことを繰り返していた。(わざわざ気合いを入れる為に新しい文房具を揃えたにも関わらず…本当に時間を無駄にしていた…)

 今は付箋に覚えたいフレーズを書いてベッド周りにピタッと貼っている。朝起きてそれを音読して、寝る前にも音読してと… 1日2回反復学習していたら不思議なもので自然に頭に入ってくる。

 あとは語学なので、常に相手が自分の目の前にいて語りかけるように音読することも大事だ。(キャラ設定をして多少やりすぎなぐらい演じてみる)たまにはリズムをつけてみる。歌ってみる。飽きないように色々な方法を試しているのである。

 苦手な語法(英語)に関してはうす~い問題集(通勤中に使用しやすいサイズ)を1冊購入してひたすら書き込みながら解きまくる! を実践している。さすがに1週間に同じ問題集を3回も解いていたらパターン暗記ができてくる。しかし、実際の英検やTOEICでは同じ語法でも文章の内容が違うので果たして実践の際に正しい答えを導けるのかどうかは今のところ謎である。(実際に試験を受けてみなくては!)

 なお本書には速読に関連する話題も少しだけ掲載されている。
 資格試験の大きな課題の一つに「制限時間」があり、どんなに知識を持っている人もペース配分が分からず時間が足りないまま試験終了なんてこともよくある。
 だから「速読」の必要性があるのだが… 英語速読を習得するためにまず必要な作業は「多読」である。これは本書のみならず様々な場面で「多読のすすめ」は見かける。ポイントして分厚くない本、簡単な本などがあげられる。

 私は多読に関しては声を大にしてこう定義したい。TOEICの目指すレベルや英検の受験級にもよるが… レベルが上がれば上がるほど日常会話ならOKレベルでは通用しない。同じ多読するなら「英字新聞」がすご~く効果的だと思う。週刊新聞なら毎週毎週、国内・海外のニュース、サイエンス関連など同じジャンルで違う話題の英文に目を通す事ができる。使用される単語やフレーズも毎回新しいわけではないので何度も触れることで自然に文章の中で推測ができる、次第に憶える事もできる。

 しかし、「多読」も読みっぱなしだとマズイのである。「短期記憶」として覚えただけにすぎないから。ではどうやって「多読」を有効活用すればよいのか? 答えは「英語の正確な読み方」を身につけること(いわゆる精読)、にある。「多読」のように感覚で読み進めるのではなく、1語1語正確に論理的に読み進めるのだ。これが意外に難しい。もちろん時間もかかるし、既に知っている単語だと認識した所が全く違う意味を成すイディオムなのに気が付かないということもよくある。(速読多読の弊害では? と思う事もある)ある程度の期間「多読」と「精読」を併用して学習しないと、効果がでないだろうが、ぜひ! 身につけたい技術である。

 本書はいわゆる「英語学習のテクニック」本ではない。特に資格試験や大学受験等に的を絞った内容でもない。根本的な英語力をUPする為の「一生使える」英語力を身につける為の1冊である。発音、リーディング、ヒアリング、ライティング、語彙など… 実に細部まで役立つ情報があり、中身がしっかりし1冊である。なお様々な教材の紹介も行っているので教材選びに迷っている人にもおすすめだ。長年英語を勉強しているが行き詰ってる方、新たに語学学習(英語以外でも)を始められる人には特に、一読して頂きたく思う。

(土居インストラクター 2013年5月)


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