1冊30分 読書感想文「名作コピーに学ぶ読ませる文章」

30分で読破した後のレポート

受講生 田沢大地さんによる読書レポートです。
本を見るのは最初の30分のみ(速読)。その後、本を一切見ずに作成した感想文です。

『名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方』 鈴木 康之 著 251ページ

 この本では、様々な名作コピーを参考にしながら、人の心をひきつける名文をいかにして書くかをアドバイスしている。街で心を奪われるような名作コピーというと、どうも転生の才能を持ったコピーライターにしか書けない一種の芸術作品のように思われるが、この本が示す通りコピーの「書き方」というものがあるようだ。本文の中でも(どのコピーかは忘れてしまったが)あるコピーライターのコピーを例に挙げたとき、「このコピーは努力の賜物」という表現があった。この本を読むまで知らなかったが、コピーの書き方を専門に学ぶ学校もあるらしい。つまり、才能だけではなく努力や訓練によってでも名文を書くことはできるということだ。印象に残った点を挙げる。

・視点、アプローチを変える
 ある日本酒の広告で、商品の具体的な紹介は一切しない不思議なものがあった。そこには宴会での上司の乾杯前の挨拶が長々とかかれているだけである。ただ挨拶が突然「誰かがマイクのコンセントを抜いた。」(正確ではないがこういう内容であった。)という文章で中断され、そこでコピーは終わる。一見すると、これは一体なんの広告であるのか分からないが、このコピーの横に載せられた日本酒の写真と共によくよく考えると、実にうまく商品の魅力を伝えているのである。日本酒という商品をアピールする際、主張すべき点はその「おいしさ、うまさ」であろうが、味という主観的な概念を、言葉で適切に、そして魅力的に表現することには限界がある。ならばどのように商品の魅力を伝えるか。この広告では今見たように、商品自体に視点を定めるのではなく、延々と続く上司の長話に耐えかね、「早く飲みたい!」とそわそわする社員たちの気持ち・空気感から、消費者に訴えかけているのだ。こうした方法を用いれば消費者は商品のおいしさを言葉でだらだらと書かれるより、商品の魅力をより共感的に理解することができる、というわけである。  単に商品を紹介するだけでは、キャッチ―な広告は生まれない。この日本酒の広告意外にも、そこから攻めるか! と舌を巻くような「視点の変換」を行う広告が多数見られた。名作コピーを書くには常識にとらわれない、新たなアプローチ方法を見つけ出す力が必要であろう。
 本文にある内容ではないので余談ではあるが、広告の歴史において、PARCOのCMは特別なものであったとたまに耳にする。数十年前までは「説明型」のテレビCMが主流であったようだが、そんな中、PARCOは斬新な「イメージ型」CMを大量に投入し話題を呼んだそうだ。私は当時のCMを見たことがないので、それがどういったCMだったのかいつも気になっている。

・マイナスでつかむ
 味噌の広告において、コピーのしょっぱなの第一文で、「だれだれが癌になった」と、暗い話を持ってきたものがあった。人は良い事より、悪い事の方が目についてしまうものである。マイナスイメージを冒頭にもってきて、注意を引くのも有効な手段だ。もちろんマイナスで注意を引いたあとには、プラスイメージを対置させ(ここに商品の紹介がくるわけだ)最終的にポジティブな広告イメージを作り出すのである。

・説明対象はどのような性質のものか
 学校医の広告で、「エイズ」や「自殺」など完結な言葉で(ここには今述べたマイナスイメージの手法も見てとれる)表現していくものがあった。学校における種種の問題は、非常に複雑で難しいものだ。そこで著者は言う、「難しいことを難しい言葉で説明しても伝わらない。」私はここに名文が名文たり得る本質を感じる。著者は一貫して「文章は書くものではなく、読んでもらうもの」というスタンスであった。読み手第一に書かれたものこそ、説得力のある名文になり得るのだ。

・良い文章は幕の内弁当
 あるコピーライターは、「良い文章は幕の内弁当」と言ったそうだ。内容、バランス、量、全てがそろった名文は、まさにお得感や満足感いっぱいの幕の内弁当というわけだ。
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