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2013.08.10
読書記録、本の紹介

お洋服クロニクル

こんにちは。速読インストラクターYです。

先週、大阪教室の受講生にお借りしていた書籍のご紹介です。

「お洋服クロニクル」中野翠 著

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戦後生まれの著者による個人的なファッション履歴。先週、大阪教室のブログに掲載した「西洋服飾史」と通しで一緒に読んだのですが、この2冊を通しで読むととても面白い。あえて、この2冊を選んで貸してくれたというのは示唆に富んだセレクトですね。デザインの流行りには周期的なサイクルがあるという話を大阪教室のブログでしましたが、前回の服飾史の場合は古代から近現代までにおとずれる周期は何世代かに一度あるかどうかというくらい大きな流れでした。それに対して今回の「お洋服クロニクル」では一人の人間の一生の中で起きる小さな周期のサイクルを取り扱っています。

さて、この違いは何なのでしょうか?

西洋服飾史に出てくるデザインの流れは主従関係が成り立つ時代の主人、貴族の服の歴史が主な内容なのですね。それに対して、後者は大衆の服飾史…という区別もできそうですが、これは大衆が中流階級になってしまってからの時代という方がしっくりきそうですね。つまり、マイノリティとしての特権階級が用いるファッションの周期と、マジョリティとなった中流階級時代のファッションの周期という構図の描き方が正しいのかもしれません。

差別化、アイデンティティを示すことがファッションの一つの機能だとするなら、マイノリティとしての特権階級は他と区別された特権階級を示す機能、つまり安泰を求めるはずです。人類の歴史上、様々な場所で法で取り締まるくらいに服飾と身分は密接に絡んでいたわけですよね。人を見た目で判断してはいけない、差別をしてはいけないと随分と前から説かれているにも関わらず、今現在でも見た目による偏見は常識ですらあり取り払うことができない。合理主義的な思想が好まれる世の中でも、服装だけは不合理だとしても常識としてまかり通るのものなんです。常識として刷り込まれたものを取り除くのはとても難しいことです。それ故に周知の事実として認知されたものは永く生きながらえていくものなのです。

それに対して中流階級がマジョリティとなった現在、「さぁ皆平等だ!」と目的を達成したわけですが、なぜか安泰とはいきません。今度はアイデンティティの問題が出てくるわけです。服装は独占ではないので、周りと差別化できない。同じファッションだと嫌だという気持ちがでてくるわけなのですね。自由主義経済と同じ原理でファッションも流れているのです。ファッションの自由化は巨大な組織の管轄のもとに置かれていた時代とは違い、一個人の内でサイクルが展開されるのだから、その周期は速い。お洋服クロニクルで書かれた時代は戦後から現代にいたるまでの時代であり、まさに自由主義経済が謳歌した時代です。めくるめくファッションの流れの早さと多様さも納得いきますね。

こういう風に読んでいくと、ファッションには政治や経済、思想が多分に絡んでいるという事がわかりますね。つまり、他分野の本とセットで読んで始めて理解できる面白さがあるということです。

この時に一緒に読んでいたおすすめの書籍がいくつかあるのでまたの機会にご紹介します。

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